ソライ百花譜 花と緑をいける

東京世田谷にある花と緑の作業場・ソライのブログ。日々いけた花を世の中にお知らせします。

秋の実物と紅葉の水盤活け

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参考価格 〈 4,320円 〉

 

花材

野バラの実 Rosa multiflora

ワレモコウ  Sanguisorba officinalis

ペリカム  Hypericum ?

アカシア・ブルーブッシュ Acacia covenyi

 

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器 岡村友太郎さん (神奈川県)

 

 

秋が深まってきたので

まさに秋!という組み合わせで。

こういう花材はどうしても

風情が出てしまって悩ましいです。

そのあたりが秋の花材の難しい所でしょうか。

 

それともう一つ!

秋というと落ち着いた印象を

お持ちの方も多いと思いますが、

秋の植物達は落ち着いているどころじゃなく

冬に向けて大忙しなんですね。

 

葉っぱを紅くして落葉したり、

実を付けて冬に備えたり、

冬芽を準備したり、

樹液の濃度を高めて凍結対策までしたり。

むしろ、ダイナミック!

 

この辺が植物好きの心をくすぐるんですよね。

そして!

心をくすぐられた植物マニアは

「冬芽観察会」なる

地味〜なイベントに繰り出してしまう訳です。

ハマるほどに地味になっていく、

植物愛好家の悲しい性です・・・。

 

 

その中でも今回はワレモコウについてのお話を。

 

「ワレモコウ」って変な名前ですよね?

漢字では「吾亦紅」と書きます。

私(吾)も(亦)紅い(紅)という意味です。

 

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ある日、神様が赤い花を集めた際に

これに加えてもらえなかった吾亦紅が

「私も紅いです」

と主張したというエピソードが由来だそうです。

 

ワレモコウの語源には諸説あって、

中でもこの由来はあやしい所もあるんですが

何故か多くの人に浸透しているようなんですね。

切花ではなく実際に地面に生えている

ワレモコウを見れば

この説を支持したくなるんじゃないでしょうか。

 

私が初めて生えているワレモコウをみたのは

庭のお手入れに入っていた京都の妙心寺でした。 

掃除をした後のきれいな苔と、

お寺の白い塀がとても似合っていた事を

今でもはっきりと覚えています。

 

皆さんは見た事がおありでしょうか?

本当にひっそりと生えているんですね。

ひっそりと、でもしっかりと生えているんです。 

モミジや他の実物に負けずに、

「私も紅いよ」

と確かに主張してそうだなと感じます。 

 

 

最後に今回使用した器について少し!

 

器の底にはよく作家さんのサイン?

とか窯のマークなどが掘ってありますが

岡村友太郎さんのサインはこちら!

 

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バンザーイ!

なのか

わっしょい!わっしょい!!

なのかは不明ですが

Tシャツ短パンの小学生がうかれています。

 

・・・最高です。

 

 

お付き合いありがとうございました!

ではまた。

 

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