ソライ百花譜 花と緑をいける

東京世田谷にある花と緑の作業場・ソライのブログ。日々いけた花を世の中にお知らせします。

2種のアジサイとアオシダレモミジの水盤活け

 

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参考価格 <7,020円>

 

花材

アジサイ・ベレナ Hydrangea macrophylla

アジサイ・アナベル Hydrangea arborescens 'Annabelle'

アオシダレモミジ Acer palmatum f. aosidare Nemoto

 

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器  篠田 純一(神奈川県)

 

 

梅雨の風物詩としてなじみ深いアジサイ

もともとは日本原産ですが、

ベレナは西洋アジサイとも呼ばれる

ヨーロッパで品種改良され逆輸入された園芸品種です。

そこに合わせたアナベルは、

アメリカ原産のアメリカノリノキの園芸品種。

 

欧州帰りのアジサイ、アメリカから来たアジサイ

それに日本・中国・台湾原産のモミジ。

この3種が1つの水盤にあると

何か不思議な、何か壮大な感じがします。

 

とてもとても身近な花なので

アジサイについての話は沢山あるのですが、

まずはその歴史からご紹介。

 

ヨーロッパで品種改良と書きましたが、

「じゃあ、誰がヨーロッパに持っていったの?」

というと、それがあの、みなさんご存知

シーボルト

なんですね!驚きです!

社会の授業で習った、あのヒゲのおじさんですよ!

 

しかも、

持ってかえったアジサイ

日本にいた時の奥さんである

お滝さんから名前をとって

Hydrangea otakusa

という学名をつけて発表したんですね!

なかなかやります、シーボルト

 

残念ながら現在その学名は採用されていないのですが、

沢山持ち帰った植物の中から

愛する奥さんの名前をつけるなんて

アジサイに相当惚れ込んだのでしょうね。

 

みんなに愛され、

日本を代表する花の一つであるアジサイですが、

アジサイを題材とした絵画や俳句などは

意外と少ないんですね。万葉集にはたったの2句。

忌み植物のような扱いを受けていた歴史や、

日陰で雨に打たれている

悲しげな印象が原因なのかも知れません。

 

そんなアジサイの名誉挽回の為、

大好きな一枚の絵を紹介します!

 

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豊岡東江の描いたアジサイです。

野暮なので説明はしませんが、とにかく優しい!

青菁社から「いのちある野の花」という図譜が

出ているので気になった方は是非。

 

最後に、

アジサイには毒がある事、

アジサイに「紫陽花」の字をあてるのは間違っている事

牧野富太郎先生が強く、何度も主張しているので)

を付け加えておきます。

 

ベレナはその後立派なドライになって

テーブルに転がっております。

 

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花物植物 ソライ

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