ソライ百花譜 花と緑をいける

東京世田谷にある花と緑の作業場・ソライのブログ。日々いけた花を世の中にお知らせします。

松と水仙の正月花

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花材

クロマツ

 Pinus thunbergii マツ科

スイセン(八重咲き)

 Narcissus cv. ヒガンバナ科

・コリヤナギ

 Salix koriyanagi ヤナギ科

 

参考価格<2,700円>

 

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器 アンティークガラス瓶

 

 

正月気分もすっかり抜けたところで

年末に活けた花をご紹介。

お正月と言えばマツ!

という事でスイセンと合わせて活けました。

 

正月の花材としておなじみのマツ。

いけばなやアレンジで活けたり、

門の両脇に立てたりして

神様を迎える意味があるようですが

この慣習は平安時代以前にはなかったようです。

 

あまりに定着しているので

大昔から定番なのかと思いきや

そうでもないのが意外。

さらに、なんでマツなのか?

その由来もよくわかりません!

(詳しい文献があったら教えて下さい)

 

「昔は宮城の中門も外に大楯槍を立てたのを

まねて松を立てたのではないか?」

とは滝沢馬琴里見八犬伝!)の考察だそうです。

確かに痛そうで魔除けとしては納得ですが

ちょっと意味合いは変わってしまいます。

 

また、

神格の樹木の中でも

松は「恐れ」を伴わない木である。

という話もあります。

神木とされている木には

クス、シイ、スギなどがあり、

これらは「恐れ」と「あがめ」が

ミックスされた神格を備えているのに対して

松には開放感や安堵感がある。

というのは樋口春三さんの著書から。

 

松は明るい尾根や海岸などに見られ、

クス、シイ、スギなどの暗い森をぬけ

明るい場所に出た時に安心感を与えてくれた。

というのはなんだか納得です。

 

由来の考察はおいといて

平安時代に庶民の間ではじまった

門松の慣習は、

縁起をかつぐのが大好きな

武家社会で広まって、

江戸時代にはこんな感じだったようです。

 

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歌川広重の冨士三十六景から。

三越の前身の越後屋の入り口に

松と竹が飾られてますね。

ほぼ、現在と一緒な感じです!

 

話はそれますが

広重の浮世絵に時々でてくる

人の表情はなんとも言えず気になります。

この一枚でも、

右端の太鼓の人と、

緑の服の空見上げてる人の顔が、

まあ変な顔ですよね!

 

 

 

最後に、

今回活けた八重のスイセンについても。

 

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いつものスイセンと違って

やっぱり豪華な気分になります。

八重咲きの花って色々あって、

そのほとんどが雄しべ、雌しべが

花弁に変異した奇形種。

しべがないんで種ができないんですが、

詳しい話はまたの機会に!

 

 

ここ2、3日、DAVID BOWIEばかり聞いてて

もうとにかく感謝、そしてあらためて感激、

LET'S DANCE以降もいいけどやっぱり初期が好きで

SPACE ODDITYなんか聞いたら

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